それでは一部年末に入手したものから・・・・。
Tin Pan / 鈴木 茂、細野 晴臣、林 立夫
学生時代にティンパン・アレイ系の音、特に細野氏が主体となったものを聴いた時の印象は「風変わりな音楽」というものだった。
今回のティンパンは細野氏がその１／３ではあるものの、鈴木氏が牽引役で、復活林立夫がフォローアップということで風変わりな度合いは減るのではなかろうか、ということで演奏面を主に期待して入手いたしました。（特に常にプレイヤーとして現役を保ち続けてきた鈴木氏のギターね！）
Bird land / M.Sasaji & L.A.Allstars
私にとって笹路氏はカズミ・バンドのキーボード奏者であって、売れっ子プロデューサーのその人ではない。 で、その笹路氏が久々にジャズ・フィールドでアルバムを出す。しかもＬＡの豪華メンバーを集め、音源はＳＡＣＤ(super
audio cd)用に録ったもの。なかなか企画ものに惹かれながらも臆病な私としてはかなりやばいものでして、一度はやめておきながら、結局はインタビュー記事なんかを読んで居ても立ってもいられなくなり、買ってしまった。基本的にはフルバンドのジャズを今風にアレンジしたものと認識している。
基本的な認識は間違っていなかった。その通りのサウンド、アレンジになっている感じ。如何にもハイレゾなオーディオ再生を目的としているという感じのダイナミクスを感じさせる音。個々の楽器の音が実にクリアーに収められている。ブラスの存在感のあるジャズのフルバン的なアレンジだが、その中でギターなどがフュージョンとしての主張を繰り広げている。
ちなみにこのアルバムは２チャンネルレコーダーのイッキ録りだが、それはそうしようとしてそうしたのではなく、ＳＡＣＤ用のマルチレコーダーがまだない、という現実から２ｃｈレコーダーを生かした企画を考えた結果の産物とのこと。リー・リトナー＆ジェントルソウツのダイレクト・カッティング（古っ！！）の時はそれが目的であったのとは対照的と言うべきか？
Getz/Gilbelto / Stan Getz & Joao Gilbelto
ジャズを聴くようになってから雑誌や関連書籍の誌面で幾度となく名盤として紹介されているのを目にしながら、関わることのなかったこのアルバム。ＨＭＶ年末年始のセールで 「ハイ！３枚お買いあげで一枚がたったの１４９０円ぽっきり！」 と引きずり込まれて（店のせいにするな～！）お買いあげ。（ということは最低ほかに２枚は一緒に買ったわけだ！）しかも安いくせに２０ビット・リマスターでデジパック仕様。う～ん、やはり買ってしまうなあ・・・。
で、このアルバムだけど、これは当時のジャズやブラジル音楽の世界では画期的な出来事だったんだろうなあ・・・。アメリカのトップ・ジャズ・プレイヤーとブラジルのミュージシャンの共演なわけだからねえ・・・。
一曲目の「イパネマの娘」からもう「うわっ！」という感じ。これはヨカですバイ。それに音がいい。左右に男女ヴォーカルを散らし、センターにゲッツのｔｓという、いまどきの定位の作り方ではないものの、すさまじい迫力がある。もちろん録音もかなりよくて、いくら２０ビットリマスターとはいえ、元が良くなければここまでいい音にはなるまい。
Still life (talking) / Pat Metheny Group
ハイ！ 出てきました、残り２枚のうちの１枚が・・・。ＰＭＧのアルバムの中で「サンロレンツォ」の次に押さえておくべきかと密かに考えていたもの。その「サンロレンツォ」とライブ盤以外にはＰＭＧは面白くない最近のヒップ・ホップ調のものとか、サントラ盤とかどうも本命じゃないもの（あえてハズレと言ってしまいましょう）しか持っていなかったが、これは大丈夫でしょう、きっと・・・。
聴いてみると・・・・。う～ん、心地よすぎ！ 何回トライしても、目が覚めたら終わっていた、というパターンの繰り返し。楽曲、各楽器のトーン、アレンジなど全てが心地よく作られているように感じられる。しかし、そのために作ったのではないだろうな。
Ballads / John Coltrane Quartet
ハイ！ 和田ファンのあなたなら何で今これを買っているかはご存じですね、そう１月にこれをまんまカバーした和田アキラ氏のアルバムがでるんですね。まあ、私はＣＤ初期にこのアルバムは買って聴いているので内容は知っていますが、「ハイ！３枚お買いあげで一枚がたったの１４９０円ぽっきり！」の中にこれの２０ビット・リマスター＆デジパック仕様があったのでついふらふらと行ってしまった訳ですね。ＣＤ初期の古いジャズアルバムの音は物にもよりますが、もう悲しい物が多くて、最近リマスター盤に買い換えているのが何枚かあります。この辺は聴き比べるのも興味深いので古いの手放さずに大切に持っていますけどね。
コルトレーンという名前で尻込みしてしまう貴兄にはちょうどいいエントランスかもしれませんね、全然抵抗感ないですから。ただ、ジャズの音がキライ！という向きにはもちろん絶対無理だと思いますが・・・。
A Charlie Brown Christmas / Cyrus Chestnut
& friends
毎年クリスマスアルバムは何かしら買っている私でしたが、２０００年は多忙なこともあってか、ピンとくる物が目につかなかったのか、１枚も買わず、クリスマスが過ぎてしまってからＨＭＶのセールで買ってたりします。ジャズ・ピアニストが親交のあるゲストを招いて制作した企画盤。
Some of my best friends / Ray Brown Trio
うちの親父さんが好きなプレイヤーのうちの一人がこのレイ・ブラウンですが、いかにもジャズのベース・プレイヤーという感じの人です。 私もなかなか好きでして、一度ジーン・ハリス(P)、ジェフ・ハミルトン(ds)とのトリオを聴きに行ったことがありました。で、これは最近のトリオに新旧トランペット・プレイヤーを迎えて制作した作品。
このアルバムを買ったポイントは、①テラーク・レーベルで音が良さそう。（テラークはもともとクラシックを中心としたハイファイ音源のレーベルで、最近はジャズ系にも力を入れている。たしか最近のディ・メオラもそうじゃなかったかな？シェフィールドなんかもそうですね） ②レイ・ブラウン・トリオが好きである ③ピアノ・トリオ＋１ホーン（いわゆるワン・ホーン・カルテット）というフォーマットがかなり好きな類である ④おやじさんのクリスマス・プレゼントにもいいかと思って、その内容チェックも兼ねて という感じです。
まず、最初に音がいい！ ハイファイってだけじゃなくて、ならしていると、なんだかジャズ喫茶（もう半分死語かなあ）にいるみたいな気分になれます。内容はいかにも、という感じのピアノ・トリオ＋トランペットですが、ペットは各人各様の個性があるし、トリオの演奏も普通よりちょっとベースがフィーチャーされているとは思うけど、いい感じ。それにしても元気だなあレイ、いったい今何歳なんだろう？
Distillations / Wishbone Ash
アッシュのボックス・セット。考えるところがあって、もう１セット買いました。
最近愚者楽のを見てメールを下さる方の中にウィッシュボーン・アッシュのファンの方がぼちぼち混ざってくるようになってきた。みなさんシーンの表側にはなかなか出てこないもののそれそれ熱い思いをしたためて下さる。そういうみなさんの思いに触れるたび、「私なんか全然・・・」といい加減さを思い知らされるわけです。
とりあえず２セットめを買ったので、これで心おきなくブックレットの内容を熟読できるか・・・・。１セットめを買ったときのインプレッションはこちら。
で、ここからが２１世紀購入ぶんだよん。
Kenji Shock / 大村 憲司
ようやくＣＤ化されたけど、そのときには作者がもうこの世にいないというのは寂しすぎる。このアルバムは憲司さんがプロデューサーの（というかアルファ・レコードの社長）村井さんに「アルバムを作らせてくれ！」と頼んでいたのを村井さんがずっとタイミングを見計らって待たせていた、と聞いたことがあるが、もしかしてＣＤ化もタイミングを見計らって・・・なんてことはないだろうな。
正直、レコードでこれを買ったときはあまり満足できなかったことをよ～く覚えています。深町 純氏のアルバムやカミーノなどでの憲司さんのすさまじいプレイを知っていたので、このころの彼がクロスオーバーの流れにのっかって、ちょっとアメリカナイズされた音色や音使いに走っていたのが当時の自分としては不満でした。 で、このアルバムはさらにそれに輪をかけてハーヴィー・メイスンのプロデュースやＬＡスタジオ・ミュージシャンによるセッションということでその傾向がよけい強かったし、ギターソロもそういったバックとはちょっとマッチングが合っていたとは思えなかったのです。
正直、なんでもっと深町さんやポンタさんたちとのセッションでやってくれないんだろう？とかなりフラストレーションを溜めたものでした。
と、あれこれ小言をならべたものの、やっぱいいですよね。どうして今の今までＣＤ化されなかったんだろう？ それにしてもこれを聴いた当時はリー・リトナーのすさまじいバッキング（カッティング）テクニックにノックアウトされていた直後だったので、スタッフが要望したりーの都合がつかずに代わりに来たスティーヴ・ルカサーという当時売り出し中のスタジオ系ギタリストのバッキングがショボく聴えてしまったのを思い出しました。（普通だったんだろうなあ、きっと） で、それからしばらくして、かの東洋陶器じゃなくって、ＴＯＴＯ（一時は彼らがボズのサポートで来日したときにトイレで見たこの４文字からバンド名をつけた、なんて言われていたけども、実際は違うらしい。（随分前の「タモリの音楽は世界だ」で問題として出題されていた。確かルカサーが回答を出していたけど、ラテン語からとったとか・・・。ホントかな？
できれば引き続き憲司さんがらみで東芝プロユース・シリーズの深町作品のＣＤ化も推し進めてもらえないものだろうか？
Drive / Kankawa
Ｒ＆Ｂテイストの強いオルガン奏者カンカワ氏が何故かスムース・ジャズ・アルバムをリリースするという。しかも日頃あんなアルバム出している人が「実はケニーＧとか好きなんですよ」とか雑誌インタビューで語っているし・・・・。（おいおい・・・）
ちょっと頭の中に？？？？をいっぱいかかえながら結局は「まあ、マイク・スターンも参加しているし・・・」といつもと同じ結末へと至るわけでありました。ああ、なんて進歩のないヒト。あ、そうそう、年末年始のクーポン券とダブルポイントサービスがなかったら買わなかったかもしれない。恐るべし！外資系ＣＤショップの年末年始商法。
A Love Affair (The music of Ivan Lins) /
V.A.
ADLIBにこのＣＤのリリース記念ライブの様子がレポートされていた。アルバムに参加したメンバーが殆どそのまま参加していたようで、えらく豪華だった。（スティングは不在だったが、ヴォーカルは唄いたがり屋ベーシストことウィル・リーがしっかりカバーしていたとか） 実際にはリハ不足の感を免れなかったようだが、えらく楽しそうで・・・。
前からこのＣＤは何度かでにしては棚に戻す、ということの繰り返しだったんです。今回はＡＤＬＩＢの記事とタワレコのクーポン券という後押しを得て（おまけに年末はポイントがダブルに付いていた！）ようやく我が家のＣＤ棚の一員に加わることができました。メデタシメデタシ！
今まで幾度となく書いたので、すでに「耳たこ」の方も（ここでは「目たこ」？）の方もおられるかもしれませんが、実はコンピとかオムニバス・アルバムって好きになれないことが多いんですよ、私は。（ちなみに乗り合い自動車の「バス」の語源って、この「オムニバス」だったんですねえ、少し前に職場の若手雑学王から聞いて初めて知りました。） 統一感がないとか散漫なものが含まれている機会が多いとか、そういった理由なんですけど。
で、これですが、なかなかええです。もともとの楽曲がいいんだろうなあ。イヴァン・リンスってリー・リトナーが一時期取り上げていたり、リーのライヴ・ヴィデオにゲストで出演していたりしていた程度しか知らなかったけど、和田セッションで中村さとし氏も良かった（過去形）と言っていたし、曲の魅力はありそう。そしてこのアルバムで選ばれた人たちのパフォーマンスですが、流石は一流どころが集まっています。ヴォーカル陣ではダイアン・リーヴス、ブレンダ・ラッセル、スティング、ヴァネッサ・ウィリアムス、チャカ・カーン・・・・。プレイヤーではジェイ・ベッケンスタイン、ボブ・バーグ、マイケル・ブレッカー、ディーン・ブラウン、ヴィニー・カリウタ、ウィル・リー、チャック・ローブ、マーカス・ミラー、ジョー・サンプル・・・・。やっぱハンパじゃすむわけないか、このメンバーで・・・。
ま、要するにトータルの質が高くて、好みにあっていればエエ、ってことなんでしょうかね。
そうそう。これもＴＥＬＡＲＣレーベルだったので、音質にはかなり期待していましたが、ばっちり期待に応えてなお余りある出来です。音質買い（そんな人いるか？・・・・いるなあ）の人にもお勧め。
それにしてもジェイソン・マイルスってこの手のとりまとめは本当に得意なんだなあ、あまり好きじゃなかったけど、たしかジャコのトリビュートもそうだったよなあ。
Orario / Tina
年始恒例の１月２日、バンド仲間の新年会のために渋谷へ向かう途中、電車の中でアドリブ誌の２０００年ａｗａｒｄを見ていたらＴｉｎａが賞を獲っていた。たしか去年だかおととしだかの新年会でヴォーカルのAyaちゃんがいいって言ってたなあ・・・・、どれちょっと聴いてみるかと・・・・。受賞したんだから当然のことながらアドリブ誌にも良さそうなことが書いてあったし・・・ だめだあ～！ 雰囲気やらアレンジやら使っている音色やら、全てが私の趣味に合わない～。
・・・・・さようなら！ もうご縁がなかったということで・・・・。
Koyanagi the cover product 1 / 小柳 ゆき
「昨年の歌謡界で躍進した新人は？」と言えば、たぶん十中八九この小柳と倉木の名が出てくるだろう。で倉木はと言えば、ジャンル的にあまり興味をそそられなかったし、宇多田ヒカルの時のようなショックも感じることはなかった。（そう、実は宇多田ショックは確実にあって、買わなかったけどあのファースト・アルバムがアホのように売れたときに私もしっかりアナログ盤を一度は新宿タワレコにて手にしていたのでありました。（そこでＣＤと行かないところがおじさんのひねくれたところ。で、結果的にはアナログだと２枚組で￥３，９００もしたので却下となったのですが・・・）
で、もう一人の小柳。これはカバー・アルバムでキャロル・キングの「空が落ちてくる」とかニルソンの「ウィズアウト・ユー」とかジャーニーの「オープン・アームズ」とかいろいろとおいしい選曲をしている。これもアドリブ誌で受賞しており、コメントも破格のものがあったので、買ってみました。そうそう、カミサンが一枚この人のがあってもいいなんて意味のことを言っていたしね・・・。
あれれ、コヤナギってＣＤだとこういう感じなのかなあ？ ちょっとお上品というかおとなしいというか・・・・。ちょっと「小さくまとまんなよ！」っていいたくなっちゃったな。ああ、なんか奥さんに「はい！買ってきたよん」って出しにくくなっちゃったな、自分として人に勧められないもんな。 もう少し和田アキラアキコ（こらこら(^_^;)）的な荒々しさが欲しかったんですけど。やっぱ、アッコさんが言うように、まずは不良になんなきゃダメ、かな？（実はすごい不良だったりして・・・）
・・・・こちらも限りなくご縁がなかったということで・・・・。
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