Ready or not / Lou Gramm：
ブラック・シープ～フォーリナーのヴォーカリスト、ルーのソロ作、１９８７年の作品。 これがソロでのファーストかな？ ブラック・シープからの盟友、ブルース・ターゴンとの共作が殆ど。また演奏はターゴンの他、ルーの家族が参加している模様。（Richard Grammatico:Guitar, Ben Grammatico Sr & Jr:Trumpet)
う～ん、ちょっと若すぎるかなあ・・・。私にはこの次のアルバムの方がしっくり来るなあ。嫌いじゃあないんだけど・・・。
Play / Mike Stern：
ガッツ溢れるジャズ・フュージョン、カットビギタリスト、マイクの新作。今回はジョン・スコフィールド、ビル・フリゼールをゲストに迎え、周囲はデニ・チェン、ボブ・マラック、リンカーン、ジム・ビアードといったいつものメンバーで固めている。
基本的にはスターンにいつものリズムセクションなので雰囲気はいつものあの感じだが、ジョンスコが入っている曲はやはりそこにくすんだ（というか煤けたとでも言いましょうか）例の音（最近ますます枯れてきたかな？）が絡んで来て、ちょっと変わった雰囲気になる。
で、フリゼールはというと、やはり予想通り浮遊感の付加と言いましょうか、もともとスターンにも浮遊感は伴っているのだけど、スターンのそれがややクリアーな浮遊感なのに対してフリゼールのそれはもっともっと、もわっとしたもの、と言えばいいんでしょうかね。
Dreams can go / 則竹裕之：
Ｔ．Ｓｑｕａｒｅのドラマー（いつの間にか彼が安藤翁についで古いメンバーになっていたなんて・・・！）ノリちゃんの初ソロ作。ライヴ録音で攻めた同バンドのベーシスト、須藤満とは違い、こちらはしっかりスタジオ録音。キーボーディスト古川初穂氏がブレーンになっているようだ。メンバーは古川氏のほか、古川望（Ｇ）、小池修（ｓａｘ）、渡辺健（建？Ｂ）、バカボン鈴木（Ｂ）などなど。
一時はフュージョン界で「困ったときの則竹だのみ」みたいに言われていたように、きっとこの人は柔軟なんだろうなあ、器用とでもいうべきなのか・・・・。
かのフュージョン界轟音ベーシスト、ナルチョがブルーノート東京で結婚披露パーティーを開いたときに、櫻井、神保を招いてオリジナルカシオペア（本当はds.佐々木だが）をやってもらおうと思ったら、ジンサク組が六ピでの打ち合わせが長引いて間に合わず困っていたら「自分たちがやりましょうか？」といって則竹、須藤のＴ．スクエア組が野呂、向谷とともにノーリハで完コピ "ASAYAKE" をやってしまったとか・・・・。あ、それは柔軟なんじゃなくて、ただ彼らが学生時代にフュージョンバンド小僧だったというだけのことか・・・。
で、なかなか本題に入ってませんけど、正直ちょっと困ってます。フュージョンドラマーの１０年構想のソロ作なんだから、もっとドラムが前に出てきて欲しいのだけど、アンサンブル重視というかあまり出てきていない。これは狙い通りなのだろうか？ 当然彼にはスクエアから来ている女性ファンも多いだろうから、聴きやすくするのも必要かとは思うのだけど、フュージョン・ドラマーのソロ作だからなあ・・・・。ちょっと曲もポップすぎるようにも思えるんだよなあ。
で、あとがきにも書いたけど、やはり石黒あきら氏の "Cyber ..." がギターなしで入っているのは面白くないよなあ。彼は純粋に「難しいけどいい曲だ」ということで入れることを希望し、神保ヴァージョンよりもソフトイメージを狙って演奏したようだが、結局ギターパートはギターみたいな音色でシンセが入っていて、まがいモンの印象が拭いきれない。やっぱり石黒氏、最初は断ったそうだから、最後までそのアルバムに入れるから、ということで断って欲しかった。まあ、則竹アルバムの方がいっぱい売れて印税は入るかもしれないが・・・・。
The Maze / Vinnie Moore：
ロック系ハイテク・ギタリストのソロ作。今回はスティーヴ・モーズ・バンドなどで活躍しているベーシスト、デイヴ・ラルー（どうも最近はウィルスみたいで名前のイメージよくないが・・・）が参加。
いろんな雰囲気の曲が入っている、というのでその気で聴いたらいきなりハードなサウンドが飛び出してきて、一瞬ちょっと引いてしまった。（実際、最後まで聴いたのは買ってから随分たってから） なるほど最後まで聴いてみると確かにあれこれとバラエティに富んだ選曲で、テクニカルなハードロック・インストギタリストというだけではない。
注目のラルーの感染、じゃなくってベースプレイは一部にその片鱗が伺えるものの、さすがにモーズバンドの時とは比べものにならず、彼のスーパープレイを期待している人にはオススメはできない。そういう人はアメリカへモーズバンドのライブ、聴きにいきなさい。（ホント、行きたいなあ・・・）
Breakfast in Neworleans, Dinner in Timbuktu / Bruce Cockburn：
私が７０年代から聴きつづけているカナダのシンガー・ソングライター、ブルースの最新作、ライヴだった前作とちがって、こちらはめでたく国内盤でリリース。やっぱりこの人みたいに情報が流れてこない人は国内盤のライナーノーツって期待しちゃいますよね。だからろくすっぽ知らない人が適当なこと書いていると、異常に腹立ちます。
まず最初に、ライナーノーツには満足しました、ハイ。
で中身ですが、ちょっと荒削りでワンパターン気味だった前作のライヴと違ってこちらは納得しうるプレイが聴かれます。雑誌の記事にもありましたが、今回はアコースティックが多めに収められているように感じられる。コバーンのギターと言えば、やはりまずはアコースティックだからなあ・・・・。
それと今回の特徴は女性とのデュエットでしょうかね。７０年代のアルバムから女性とのデュエットはポツポツと入っていたが、今回は少々目立つかもしれない。
また、民族楽器を取り入れているように記載されていたが、特別気にならなかった。これも昔っからダルシマーとかいろいろ使っていたからなあ・・・。
ザ・ギタリスト/プレイズ・ビートルズⅡ（原題 Mike Minieri presents Come Together / giotar tribute to The Beatles Vol.2：
９５年にマイク・マイニエリ主宰のＮＹＣレーベルからリリースされたギターオムニバス盤。文字通りビートルズの曲を１２人のギタリストが各人各様に味付け。幾度となくＣＤショップ（あ～、レコード屋という響きの方が１００倍くらいいいなあ。豊田有恒氏から「・・屋」は差別用語だ、「レコード販売業者（の方）と言え」、と言われそうだが・・・）で手にしてはまた棚に戻す、という行為の繰り返しだったが、出張で浜松に赴いた時に立ち寄ったTOWER RECORD HAMAMATSUでついにお買い上げ。ウェイン・クランツ、ロベン・フォード、マイケル・ヘッジス以外の人は全く初めて耳にする。（フィリップ・ディグリー、チャーリー・ハンター、アダム・ロジャーズ＆デヴィッド・ギルモア（Ｐ・フロイドじゃないほう）、テリエ・リピダル、ロバート・クイーン＆ジョディ・ハリス、デヴィッド・トロンゾ、デヴィッド・フュージョンスキー：ハンター、ギルモア、フョージョンスキー以外は名前も知らなかった）
前半はソロギターが多いせいか、一瞬キワモノアルバムかと思ってしまった。その後ギターの多重録音やらも入ってくるが、ピアノとのデュオみたいな感じで始まるロベンのゴールデン・スランバーは一番光っているように感じられた。
Ｉｆ (12th Dimension) / Dimension：
文字通り１２枚目。快調ですね今回は曲によって適宜ゲストプレイヤーをちりばめてあって、それもまた魅力かな？ やっぱり、全曲３人＋打ち込みじゃ、ちょっとね・・・・。。そういえば増崎氏のギターはいつの間にかAircraftからSadowskyに変わっていた。「ギターはモーリス、モーリスギター」（というラジオＣＭが昔ＯＡされていた）よりも洋モノの方が良くなったかな？ まあジャケットにはフォロウボディのギターも持って写っているが・・・。
いつもより自分の趣味に合っている方向かもしれないが、やはりメロディみたいなもんはあんまり強調していないので、あまり一曲一曲が残ってこないという感じで、あとで「どんな感じだったっけ？」と思いだそうとしてもあまり思い出せない。でもやっぱり現代風なインスト音楽ですね。３人のプレイに「いま」を感じます。
ゲストの中で神保氏は２曲参加しているが、神保さんらしい歯切れの良いスネア＋リムショットがあまり聴かれずちょっと残念。
Explorations (+2) / Bill Evans Trio：
浜松のTOWER RECORDでお買いあげ。今更説明するのもどうか、というかのエヴァンストリオ黄金期の第２作。レコードでは持っています。今年の春にリリースされたＫ２リマスター、限定紙ジャケシリーズ。発売された時には紙ジャケは出し入れが面倒だし、もうちょっと待てばプライスダウンしてプラケースになったノーマル盤も出るだろうから「まあ、いいか」と思ったが、遠隔の地（でもないか）のＣＤショップで眺めていたらやたら欲しくなって買ってしまった。
いまさらインプレッションもないんじゃないかな、という気がして。
しかし、帯に書いてあるＫ２リマスターシリーズに対する賛辞である「死んだはずのコルトレーンが目の前にいる！」というコメント（コルトレーン研究家藤岡靖洋氏）は随分すごいですなあ。 それにしても最近どんどん進歩するディジタル技術を活用して’５０，’６０年代のジャズがリマスターされているが、ほとんどの場合がとてもそんな古い録音とは思えないくらいいい音質を誇っている。 それに引き替え日本の’７０，’８０年代の録音のクｫリティのひどさと言ったら・・・・。まだアナログのものはまし。中にはディジタル・リマスターで生き返っているものもあるから。最悪なのは初期のディジタル録音のもの。もう救いようがない。アナログtoディジタルはかなりのレベルまで来たので、次はレベルの悪いディジタル録音を生き返らせる方法を開発して欲しい。
ついでに言うと、今でも日本のレコード会社の録音エンジニアは音に無頓着で、先日オーディオ雑誌を読んでいたらエンジニアでかつオーディオマニアである某氏が同業者について批判していた。要約すると、
１．日本の録音エンジニアは電子工学の勉強をしてきた人で、音楽を好きでその仕事を選んだ人ばかりではない。
２．日本の録音エンジニアのほとんどは左右のケーブルの長さが揃っていなくても気にしない。（オーディオファンは通常非常に気にします）
３．自分が音質にこだわっていると同業者から変人扱いされる。
これじゃあ日本のディスクの音質、音楽性は・・・・・。 それにＳ社なんかモロにそうだが、ラジカセ、ディスクマンを対象に音を作っているから、低音なんかみんなカットされている。まあそういう対象となる人たちが聴く「歌う芸能人」（音楽家ではない）の内容もそんな立派なモンはほとんどないからそれでいいのか・・・。
Moon Beams / Bill Evans Trio：
はい、これも上同様浜松で買いました。私のエヴァンス趣味は一部を除きラファロ、モチアンとの黄金期とジョンソン、ラベーバラとのラストトリオばかりなのですが、これは珍しくラファロと死別した少し後のイスラエル、モチアンとのトリオ。このアルバムは「お初にお目にかかります」、というかもちろん見たことはありますが、聴くのは初めて。どこかの雑誌の記事で「かの」ジャズ喫茶のおやじ、寺島靖国が絶賛していて、（１０年くらい前だが）多少頭の片隅に引っかかっていた作品。
上記にもあるように、これはイスラエルがベースとして参加している。この人の入っているアルバムは１５年ほど前にタウンホールでのライヴ盤を聴いたが、その時の印象は「ラファロに比べればずっと普通っぽいジャズ・ベースの人」という感じだった。やたら攻撃的でエヴァンスに絡むラファロに比べるとオーソドックスなアプローチでボトムを支えながら渋いソロも披露するのが特徴だろう。
で、このアルバムは、だが、とにかくスローバラードばかりの選曲なのでイスラエル向きだったと言えるのではないだろうか？ 同時に録音された（と思った） "How my heart sings!" とはどのように違うのか、聴いていないのでコメントできないが、きっと向こうはもう少しアップテンポで明るめのものが収められているんだろう。
Trio in Tokyo / Michel Petrucciani Steve Gadd Anthony Jackson：
若くして亡くなってしまったミシェルがその一年前に来日したときのライヴ。以前からその録音が存在することは明らかにされており、そのリリースが待たれていた作品。ＷＯＷＯＷでヨーロッパでのライヴがＯＡされ、いい出来だったのでこのＣＤはホントに待ち焦がれた。ちなみにこれは浜松から帰ってきて新宿で買ったのだが、店内にExplorations / Bill Evans Trioのノーマル盤が安くなった定価よりもさらにスペシャルプライスで出ていた。う～ん、ちょっと複雑。
う～ん、素晴らしい。ブルーノートでの最後の日本公演、聴きにいっておけばよかった。
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